フリーランスが単価を上げるには?交渉テクニックを紹介

案件獲得

今回は、経営者やフリーランスが単価を上げる方法を紹介します。

法人案件を行う中でフリーランスは価格を上げていかなければなりません。例えば、経験を積むまでは、とにかく低単価で実績を作る必要があります。

ただ、その低単価の仕事を長く続けていくと、いつか気持ちが切れてしまいます。低単価の仕事は割が悪いので、長時間労働になりやすい傾向にあるからです。

今回は、 フリーランスが単価を上げるための交渉テクニックを紹介します。

私はフリーランスとして月商150万円を達成し、今は法人化をしています。

長く使っている単価を上げる実体験の交渉テクニックなので、参考にしていただけますと幸いです。

フリーランスの単価を上げる交渉の大前提

フリーランスとして単価交渉する前に、まず注意しておくべきことがあります。それは以下のようなことです。

単価を上げるための注意点
①品質が良くなければ単価は上がらない
②実績が無ければ単価は上がらない
③単価の安い戦場で戦っても単価は上がらない

上記を理解していないと、単価は上がりませんし、交渉もできない点に注意します。

フリーランスとして品質や実績に問題が無いか

フリーランスとして食べていくためには、まず品質と実績。この2つをいかに上げていくかが大切です。

品質が悪くリピーターがいないような状態では、単価を上げることはできません。

単価交渉を行った瞬間、そのクライアントは離れていくでしょう。

品質の目安となるのはリピート率がどれぐらいあるか?になります。

私はメインの事業でウェブ制作を行っていますが、リピート率は大体40%前後です。

制作したお客様のうち半分近くが再度依頼を行ってくれます。

内訳としてはウェブ系のお客様が20%、エンドクライアントが80%で品質は悪くないと考えています。実際に口コミが付く、クラウドワークスやランサーズでも、最高評価を維持し続けています。

単価を上げる前に、まずは単価を上げるにふさわしい品質なのか?クライアントは満足してくれているのか?その点をしっかりしていないと交渉は無意味だと考えておきましょう。

フリーランスにおける「単価マップ」

フリーランスが単価を上げていくには、「どこから仕事を取るか」が大切になってきます。仕事の取り方によっては、単価がそもそも上がりにくい相手や環境もありますので、その点は抑えておきます。

仕事の獲得先案件単価相場
テレアポなどエンド営業高い
クラウドソーシング低い
同業者の下請け同業者の相場に依存する
コンサルタントからの発注高い
エンド顧客や知人からの紹介普通〜高い
交流会での紹介普通〜高い
お問い合わせからの獲得自分で単価を設定できる
フリーランスにおける仕事の獲得先と単価感

「高い」と記載した項目でも、クライアントによっては低い可能性もありますが、相場感としては上記のような形になります。

例えば、クラウドソーシングだったり、同業者の下請けの場合、単価が低い可能性があります。

もちろん、単価の高い仕事もありますが、それはクライアントに依存しやすい傾向があるのです。

逆に、交流会からの紹介だったり、エンド顧客からの紹介、テレアポによるエンド顧客への営業など、案件の獲得先によっては、そもそもの相場が高いというものがあります。

また、お問い合わせからリード獲得している場合、自身で決めた料金を相手に押し付けてから交渉することができるため、優位に進めることもできます。

このように仕事の獲得先によっても、相場観がそもそも違うことがあるため、注意していきましょう

フリーランスが単価を上げるための交渉テクニック5つ

それでは、フリーランスが単価を上げるための交渉テクニックを5つ紹介していきます。

実際に法人相手で取引をしているフリーランスの方は、利用してみると良いでしょう。

ただ、闇雲に使用すると失敗する可能性もありますので、徐々に慣れていきたいですね。

基本設定は高くし、限定オファーを出す

基本料金を高くする事は、相手の意識をコントロールする最も簡単なテクニックです。 例えばウェブ制作で撮りたい金額を200,000円に設定しているとします。

その場合、200,000円の料金表を提示してはいけません。もし、200,000円の単価で取りたい場合は、基本料金を280,000円にするのです。

そして限定のオファーを出します。

限定オファー
「◯月◯日まで!限定3社様で280,000円→200,000円で制作します」
「この商談から5日間に限り、適用できます」

実際、ホームページに書いてもOKですが、商談で行ったほうが通りやすい傾向にあります。

例えば「今、限定3社様で30%OFFで制作するキャンペーンをやっているんですが、どうでしょうか?初回商談から5日までに決めて頂ければ利用できます」といった内容です。

限定性を強く出していくことで、相手が行動する理由付けをするのです。

フリーランスが案件単価を上げるためには、価格の見せ方がとにかく大切。

基本的に安く作りたいというのが人間心理で、お得感が大事になってきます。

少しでも安く買いたい人に対して、需要を満たしてあげることが大切です。

要件を聞く前に概算で高い見積もりを出す

法人案件の場合、高い確率でまずは概算見積もりを出します。案件単価を正確に知らせていない場合は、「いくら位でできますか」という質問が必ず来ます。

その際、限界ギリギリの金額を出してはいけません。必ず少し高めに見積もりを出してあげます。

概算見積もりを出す流れとしては、以下がベストです。

概算見積もりから単価を上げる交渉の流れ
①相談が来たら、軽く要件を聞く
②概算見積もりを即時で出す
③後から調整する

概算見積もりをいかに早く出すかが重要です。そして、以下のように伝えるのです。

これは概算見積もりです。ご要件によっては、ご提示の金額よりも大幅に安くなったり、逆に高くなったりする場合がありますので、一度正確に要件をご教示いただけますと幸いです。

「大幅に安く」がポイントです。多少、見積もりが高く見えても、安くなる可能性を秘めていることが相手に伝わります。

高い見積もりを出すメリットは、以下の2つがあります。

高い概算見積もりを出すメリット
①要件外の要求が来た場合「しょうがないからやってあげますよ」と恩を売れる
②もし、思っていたよりも要件が小さかった場合には、価格を下げられる。
※価格が下がった状態が、本来取りたい金額に設定しておく

本来、欲しい金額よりも高い見積もりを出しておくことで、価格を下げたように「見せられる」ということです。

たとえ価格が下がったとしても、本来欲しい最低ラインの単価はクリアできているため、Win-Winの関係性を築けます。

もちろん、その分品質は妥協してはいけません。

ただ、それでも値下げ交渉を行ってくるクライアントも存在します。そんな時は、次の章の思考でいきましょう。

「他の人に頼んで」と言う

もし、「高いですね」「もっと値段下げれない?」と言われた場合、以下のように伝えます。

ご期待に添えず、申し訳ございません。今回のご要件の場合は、ご提示の金額になってしまいます。
おそらく、私よりももっと安くやってくれる人は大勢いますので、他の人に頼んだほうが経済的かと思います。

これは、「引き営業」と言われる手法です。

「それでもあなたに頼みたい」という気持ちなのであれば、対応してあげるくらいの気持ちで交渉しましょう。

なぜ、この手法が有効なのか。それは、単価交渉をする人の心理にあります。

単価交渉をするということは「この値段だったら頼みたい」という意味であり、既にクライアントにとって、自分が重要な存在であることの裏返しになっています。

単価を下げようとしてくる相手には、毅然とした態度で臨みましょう。

また、本気で単価を上げたいのであれば、安く頼もうとしてくるクライアントは切るべきです。見積もりを出す時間も無駄ですし、コミュニケーションのコストもかかります。

自分と合わない相手とは関係を続ける必要はなく、もっと良いクライアントを見つける旅に出ましょう。

【注意点】相見積もりの場合は使いづらい交渉テクニックである

この手法で注意すべきこととして、「相見積もり」の場合があります。

相見積もりの場合、価格競争になります。限定オファーの手法を使いつつ、自分が下げられる限界ギリギリまで下げて提案してあげましょう。

最低ライン以下になる場合は、どうしても取りたい場面を除いて、断っても問題ありません。

【注意点】どうしても仕事を取りたい!という場合は使わない

もし、あなたが生活に困っていて、どうしてもこの案件が必要であるという場合は、余計な交渉はやめましょう。

余裕があるときに行わないと、クライアントが不信感を覚えて離れていく可能性があります。

フリーランスとして1〜2年経ち、固定客がついているタイミングで行うべき手段になります。

社内スタッフとして入り込む

フリーランスとして単価を上げる理想的な方法は、社内スタッフのような立ち位置になることです。

社内スタッフとは、クライアントと作業者と言う立ち位置ではなく、クライアントの専門スタッフとして一緒に会社を盛り上げていくようなものです。

そこまでの関係性を作れていると、単価交渉が非常にスムーズに進みやすい傾向にあります。

これは交渉テクニックではありますが、クライアントとたくさんのコミュニケーションを取り、地道に満足度を上げていくことで達成されるものです。

それでは、どのような状態になれば、社内スタッフとして認められた証になるのでしょうか。それは、以下のような状態になることです。

①自分用のメールアドレスを作ってもらう
②クライアントのクライアントに対して、フロントとして紹介される

クライアントが持つお客様に対して、自分をフロントとしてやり取りさせてもらえる状態まで進んでいると、社内スタッフとして入り込むことに成功しています。

この状況になると、単価交渉も自分で行わせてくれることが多いため、単価を上げやすくなります。

また、クライアントにとって、自社の仲間のような立ち位置であり、その存在を変えることは頼む側の工数が大きいことを頭に入れておきます。

「悪く思われないかな」などと考えずに、交渉してみましょう。

交渉テクニックが必要ない状態になりますので、関係地を地道に積み重ねることをおすすめします。

交渉するとは言っても、適正価格に収める
いくら社内スタッフのような立ち位置になったとしても、適正価格はあります。ボッタクリのような金額を提示し続けていれば、いずれ関係を切られてしまうでしょう。あくまでも、相場通りの適正価格で行うことをおすすめします。

紹介で単価が上がる

最後は紹介を受けると言うことです。

一般的に営業をかける場合と紹介される場合で、受注率が2倍にも3倍にも違います。

誰かから紹介を受けて商談に入った際、一度も失注したことが無いので今のところ100%受注できています。

紹介を受けた場合、単価を自分で設定することができ、スムーズに交渉に入れます。

それでは紹介を受けるにはどのようにすれば良いでしょうか。それは以下のようなものになります。

①既存のクライアントを満足させる
②交流会などに出て繋がりを作る
→紹介キャッシュバック制度を用いる

上記のような形で、紹介を受けることが可能です。

キャッシュバック制度を用いるというテクニックがあります。例えば「紹介してくれたら、5万円キャッシュバックします」と伝えておけば、他の人よりも優先してキャッシュバックしたいはず。

紹介は決まりやすい傾向にありますので、少し高めに値段設定をしておいて、交渉材料として5万円キャッシュバック制度を入れておくと良いでしょう。

また、交流会などでより多くの繋がりを作っておくことも大切です。

例えば、システム開発業界などはクライアントを紹介しあって関係値を高め、案件に困ったときに紹介を受けるように業界が作られていると言います。

同業でもエンドクライアントでも良いので、多くの紹介を受けられるように、ネットワークを構築しておきたいですね。

まとめ

今回は、フリーランスに起きる案件単価の上げ方や交渉テクニックを紹介していきました。いきなり単価を上げることができませんので、自身のスキルや品質を上げることによって単価向上を目指していきましょう。

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